【往還集137】12 寮生活

2016年10月18日
「ほとんどが騒音のかたまり」と書いておきながら、どうしようもない恥ずかしさが甦ってくるではありませんか。
学生のとき2年間、寮生活をしました。寮といいます。周辺は住宅街、すぐ隣は長町中学校です。
土曜日の夜は酒を飲んでストームがはじまる。
花の季節になると桜の名所公園へ、薄汚れたドテラを来て大行進。
なかには深夜の町へリャカーで繰り出し、映画の看板を集めてきたものがいる。
女子高生の名札収拾を趣味にしているヤツも。
近隣からは苦情が何回も来る。それでもやめない。
感謝されたのはたった一回。近所の子どもが行方不明になった。寮生は総出で捜索を手伝うが、どうしても見つからない。
夜も更けてあきらめかけたころ、中学のプールに竹竿を入れたグループがとうとう発見した。
そのときご遺族が寮にお礼にきました。
さすがの寮も、しばらくの間、静まり返っていました。