【往還集137】5 子どもの本のこと

2016年9月26日
あまんきみこ作、松成真理子絵の『きつねみちは、天のみち』(童心社)を読んで、いいなあ、いいなあ、こういう話はいいなあと思ったのです。
どういう話なのかあらすじを語りたいところですが、それではこれから読む人の邪魔になるでしょうから、帯文だけ写しておきます。

「夕立のすきまの道にはとてもふしぎで、やさしい時間がまっていました。」

私は今でも時々子どもの本を読みます。すぐれた本に出会うたびに、この分野から遠ざかってしまったことを惜しく思います。もう一度やろうとしても、もう70を過ぎている、とてもとてもと、あきらめています。
そしたら「なにいってんのよ、わたしなんか85になってもまだ書いているのよ」という、あまんきみこさんの声が、天の道のほうから聞こえる気がしたのです。
そうかトシには関係ないんだ、また少しずつでも書いてみようかと、こっそり思い立ったのでした。