【往還集137】4 ミヤギノハギ

2016年9月25日
純正のミヤギノハギは濃い臙脂色で、風雅と優艶が一緒になったような花です。
広瀬高校には、創立記念に移植されたというハギが、校庭に面した傾斜地にありました。季節になると一斉に咲き連なり、それはそれは見事でした。
あまりに見事なので、接ぎ木の仕方を教わり、家の垣根と近くの空地に植えました。
すると空地のほうは土に合ったのでしょうか、なんの手入れもしないのに年々大きくなり、丈も2メートルを越えました。その枝垂れ咲くさまは、まさに臙脂の滝のよう。
こうして10年を迎えたのですが、急に芽を出さなくなり、そのまま枯れてしまったのです。
どうしたのだろう、なにが起きたのだろうと落胆しましたが、もしかしたら生きるだけ生きたからもう十分と思い、自分で自身の始末をつけたのかもしれません。
垣根に移植したほうは、今秋も元気。こちらはまだまだ、生きのこしていることがあるようで。