2016年8月31日
「朝日」の連載小説に綿矢りさ「私をくいとめて」があります。
その8月27日付に飛行機についての興味深い描写が。
「飛行機に乗り始めのころ、落ちる落ちないは別として、上空1万メートルの場所にいて、ものすごい速度で移動しているのにもかかわらず、まるで地上にいるかのように食事をしたり、映画を見たり、毛布にくるまれて眠ったりするのが受けつけられなかった。しらじらしい小芝居を見せつけられているようで、本当は平気じゃないくせに!と叫びたくなる。」
引用はここまでにします。
私も人並みに何度も飛行機に乗り、いつの間にか慣れが生じてきましたが、はじめのころ「しらじらしい小芝居」を感じたことがあります。
地上を離れて雲上に出、平行飛行に移ると、まるでふつうの生活を営んでいるような感覚になる。
けれど気流の乱れに入ったりすると、ここは機上である!と覚醒してしまうのです。