2016年8月22日
むのたけじ(本名武野武治)さんが昨日逝去されました。
101歳とは立派なもの。
宮沢賢治学会のイーハトーブ賞を受賞されたのは2012年。
当時私は選考委員を務めていましたので、授賞式当日、花巻まで来てくれたむのさんに挨拶しました。
100歳に手の届く年齢というのに、凛凛たる発声。頭脳も明晰です。
むのさんには新書版の『詞集たいまつ』があります。
仙台商業高校在勤ときのことですが、勉強に興味を示さない生徒が多く、授業も成り立たない状態でした。
そのとき図書館に『詞集たいまつ』を50冊入れてもらい、教室に運んでは書写するという授業をやりました。
「這いつくばっても、生きねばならないときがある。這って生きるよりも、立って死なねばならないときがある。」
こういう短文がいっぱい。
生徒たちは生まれ変わったように、シーンとして書写するのです。むのさんの筆力のおかげでした。