【往還集136】13 滅んでもまた人類に

2016年6月15日
同人誌「率」は185頁にもおよぶバリッとした歌誌で、内容もかなり濃い。費用もずいぶんかかるだろうに、どのようにやりくりしているのだろうかと気にかかります。
その10号に「我妻俊樹誌上歌集 足の踏み場、像の墓場」が150頁も組まれています。
同人でもないのにこれほどの待遇とは、よほど優れた歌人なのだろうと期待しながら読みました。
結果として私の理解力はやっと半分というところですが、現代・世界・人類への感受に、ビビッと共振する何首かがありました。
そのひとつが

「滅んでもまた人類に生れたいだけのわたしたちのY字みち」

人類の侵した害はついには滅びへとつながっていく、けれど原初にもどってまた出発するとしたら、たいていはまた人類を選ぶのじゃないかと、解釈しました。
私はどうか。
もう人類はごめんこうむりたい、改めて選択できるなら、水とか風がいいなと思っています。