【往還集136】5 「震災を詠む2016」・続

2016年5月23日
以来、5年。
この歳月をどうとらえたらいいのか、うまく焦点を合わせることができずにいました。 
圏外の人にとっては忘れるに十分な時間。圏内だっていつまでもウジウジしているわけにはいきません。
そんなことを漠然と思っていたときに、全身倦怠・声帯不作動・視力衰退に襲われました。
「5年」がいまになって内部に噴出したというわけです。
圏外からは見えないことが、圏内ではいまからはじまっている!
今回、高校生の送ってくれた歌に

「レントゲンを撮りますからねと医師の声甲状腺の脆さを知りぬ」

がありました。5年前は小5です。福島に住んでいて甲状腺検査を受けたとき、優しい医師の声がかえって怖かったというのです。
この不安はこれからもつづいていきます。だのに「フクシマのことは、なかったことにしよう」という動向が年々出ています。
「なかったことにされてたまるか」と私は思っています。