2016年5月2日
静養生活をして1か月半。
この間に読んだ本から、印象深かったのをとりあげておきたい。
神山睦美『日々、フェイスブック』。
神山さんは3年まえからフェイスブックに投稿しはじめる。そのなかから選んで編集したという。固い著作の多いなかで、これは珍しく柔らかい。おまけに活字も大きいから、視力衰退中の自分にも読みやすく、引きずりこまれるように読んだ。
「復興という強迫観念」がある。震災後、
「日本全体が、いや世界全体が復興しなければという強迫観念に襲われていることに問題があるのではないか。」
この言、私も同じ思いだ。
マスコミはとかく復興のほうへむけて番組を作りたがる。
だが旧に復し、さらに盛り上がることはまずありえない。喪失感を引きずり、時には心身を病みながらも、「がんばる」ことなく、自然の時間へ身をゆだねていく、それが結果的に、ある積み上げとなっていくのではなかろうか。