2016年4月20日
柏崎さんは岩手県生まれの「コスモス」の歌人。
彼の訃報を昨日知り「やっぱりだめだったか」と肩の力が抜けた。
折からこちらも不調状態、吉崎さんにつづく訃報で、身に応える。
逝去は15日、白血病、74歳。
『北窓集』で斎藤茂吉短歌文学賞に決まった。だのに5月の授賞式を待たずに往ってしまった。
私はそんなに重篤とは知らずに、4月9日付「短歌粗描ノート」に
「病長き柏崎驍二を想ふなり中津川の辺歩きしは初夏」
とメモした。
賢治学会を盛岡で開いたとき彼も街の散策に付き合ってくれて、一緒に中津川を歩いた。
性格温和、作風にも人や風土へのぬくもりがある。
三陸の町出身で、大震災では何人もの親戚・知人を喪った。
その後病を養っていると伝え聞いていたが、一昨日「コスモス」5月号を開き、冒頭歌「八海山」を読んだばかり。重篤の影がないので、まだまだ大丈夫だと安堵したばかりだったのだ。