2016年2月16日
NHK仙台の制作番組に「被災地からの声」がある。
石巻出身の津田アナウンサーが担当し、被災地の状況を知らせつづけている。
地元に寄り添った番組として貴重だ。
全国放送になるのがほんのわずかというのがいかにも惜しい。
番組がはじまると、まず避難所の様子が映る。
海の町の体育館だろう、大勢の人がおり、物資も積まれ、ごたごたしている。
そこに3歳ぐらいのおかっぱ頭の女の子が出てきて、にこっとする。
つぎの回にも、そのつぎの回にもにこっとする。
自然なふるまいがかわいいので、「モコちゃん」と呼ぶことにした。
以来5年たつから、もう小学生になっているだろう。
あの日に幼かった子たちは、身のまわりにおきたことをことばにできなかった。
だがこれから、いっぱいのモコちゃんが成長し、大人になっていく。そのとき、けっしていいかげんな大人にはならないだろうと、私は望みをつないでいる。