【往還集135】23 句読疾走

2016年2月2日
いきなり興を覚えて、合同句集を疾走の速度で読みはじめた。
『小熊座の俳句 三十周年記念合同句集』。参加者は134名で、一人20句ずつだから、総計2680句。
疾走とはいっても3日かかったが。ふだん俳句を読みなれていないから、興味津々。
私は常々「俳句は50作ればいいのが1つはある、短歌は50作ってもだめはだめ」という説を持っている。
そのことが証明されたかたちで、どの人からも1つ以上の秀句を見付けることができた。

「草蛍まだ見つからぬ人あまた 阿部流水」「一億の一と日桜の下歩く 上野まさい」
「秋の暮たとへば戻れない時間 大久保和子」「大寒や死を恐れねば詩は書けず 越髙飛騨男」
「一夜書き何か失う冬机 松本廉子」

ほんの数例だけあげてみた。
ところで、全部読みおわって、再び短歌へ帰ったとき思わざる気分に見舞われた、1首読むだけなのにこのまだるっこさは、なんなのだーーと。