2015年10月14日
仙台にも大型書店はいくつかある。家から遠いのでついついアマゾンに注文してしまうが、本心ではやっぱり実物を見たい。装幀、活字の並び、紙の手触りなど確かめてから買いたい。
そこで月に数回は書店に足を運ぶが、そのたびにひとつの感覚に襲われる。
書棚には多くの分野の本が並ぶ。医学、法学、文学、宗教、音楽、美術その他諸々。
私の関心領域は比較的広いほうだが、それでも全体からしたらごく一部にすぎない。
ほんのひとかけらを口にしただけで、生涯を終ってしまうのだ。
書棚をめぐりながら、えもいわれぬ寂寥感に襲われる。
学生の日、いつもの通学バスを遅らせて乗ったことがある。
すると乗客は全く見慣れない世間の人たち。自分はこの世界のごく一部に触れて生きているだけなのだ、これからもきっとそうだろうーーと思い、身を切るような孤独感に襲われた。
書店に立つときの感覚も、あれと同じだ。