この夏は記録的な猛暑つづきで、熱中症も多発した。
畑仕事は早朝にかぎると、朝食もそこそこに畑へ出るようにした。
キュウリもトマトもピーマンもニンジンも大豊作。
除草して立ち上がったとき、いきなり吐き気がした。気温が一気に上昇し、軽い熱中症になったらしい。
そうそうに帰宅して、その日一日は静養した。
ところがお盆を過ぎるころから夜明けは遅くなり、朝夕の気温も肌寒いほどになった。
早暁のベランダに立ち、まずは頭脳を冷やす習いの自分だが、周辺の森にあふれるヒグラシが、いつの間にか虫の音に変わっていることに気づいた。庭に咲き誇った夏の花も廃れ、秋の草花に移っている。
もう夏も終わりなのだ。
そう思ったとたん胸中からいいしれぬ寂寥感がこみあげてきた。
この夏に自分はなにほどのことをなしえたのだろうという悔いも湧く。
こうしていつも、内向しながら秋の季節へと入っていく。
(2015年8月23日)