自民党の若手議員が、安保法案反対デモに集結する若者たちを個人主義、利己主義だと非難しはじめた。こうなったのは戦後教育に原因がある、その元凶は日教組とまで豪語する。
このパターンには一種の思考停止がある。日教組の実態はかつてとは雲泥の差、組織率も衰退の一途。
だのにあたかもいまなお〈天敵〉であるかのごとく信じ込みたがる。
自民のお墨付きのタカ派の言ならまだしも、それこそ戦後教育に育った若手議員までが堂々と語るのだからねえ。
要するに国家主義を復活させたい、そのためには個人主義を排除したいのが本音。
けれど、国家信奉者は国家を守ってもいざというときに国民は守らないという事実を、こちらは山のように見聞してきた。
国民を守らない国家ってなに?子どもの頃から抱きつづけてきた単純素朴にして本質的なこの問いに自信たっぷりの議員さん、どう答えてくれるのだろうか。
(2015年8月6日)