2015年7月30日
『女装してーー』と同様いやに長ったらしい題の本。
著者田房永子はエロ本編集の仕事をしていて、男の風俗の現場のあちこちを取材してきた。そのレポートがこの本だが、女にはない男の自由さを感じ、猛烈に嫉妬さえしてきたという。
そういわれてみれば男の風俗は「人妻アロマオイルマッサージ」「ドール専門風俗店」「密着型理髪店」「ストリップ劇場」「パンチラ喫茶」などなど多種多彩で、一つが廃れてもすぐに新手が出現する。
クリスチャンは女性世界の豊饒さに感嘆したが、男性世界だって同じことなのだ。
女性の場合は美化をわが身に集中させるが、男性は外部すなわち異性にそれを求める。
田房は風俗嬢やAV嬢を取材しながら彼女たちに対する自分の思いは尊敬と軽蔑どちらかと自問する。
その結果「敬蔑」の語彙を手に入れる。
ここが重要な切り口だが、惜しいことにあと一歩の突込みが不足している。