2015年7月27日
高齢者の仲間入りして体力・眼力・性欲その他がガタガタ落ちてきた。落ちるとはすなわちマイナス要素のようで、そうとはいえないこともある。ギラギラした性欲がなくなった分、性差について率直に考えられるようになってきた。例1。浮世絵の交合図で目を細める女性の表情。女性の法悦まで男が所有していると見られてきたが、あれは所有関係を超脱し性差を無化した極点の表情ともいえる。
それならなぜ女性像にしているのかと問われれば、性差の残存していることは認めざるをえない。
けれど性差に拠りながらも性差を超える視点はありうる。
例2。色彩華やかな女性下着。それに欲情を覚える男性がいる。
だが下着とは性差のうえに練り上げられてきた、女性の服飾では最も粋な芸術品でもある。
欲情を乗り越えさえすれば、「美しい」と率直に感嘆することができる。
高齢になって私もやっとその域に手をかけはじめた。