2015年7月23日
小学5年まで過ごした岩手県前沢の自宅前は、直角の曲がり角だ。城下町の名残という。そこを曲がると一直線に駅へ通じる。
2歳の日に出征していくお兄さんたちを見送ったのはちょうど角のところ。
その記憶が時を経ても褪せない。
もしかしたら今の政治、この日へと逆走しているのではないか。戦争に巻き込まれることはゼッタイにありえない、徴兵制などゼッタイにありえないと〈私は総理〉といばる人の力説するたびに、あやしさは増す。
高速道路できわめて危険なのは逆走だ。進行方向を錯覚して、南へ行くべきを北へ疾走する。
〈私は総理〉は、自分こそが正走、相手が逆走だと思い込む。
しまつの悪いことに、一緒に暴走してエンジンをふかす連中が「親分さん、あなたがゼッタイに正当だ」と持ち上げる。
そのくせ、どのタイミングで足を引っ張ろうかと隙を狙う。
なんという、うそ寒い時代に立ち合っていることか。