2015年7月20日
「短歌往来」連載の「歌の遠近術(11)」に、人工知能の発達と短歌創作の関係をとりあげた。
「偶然短歌」が出現して、57577にあてはめることが可能になった。さらに進んだら創造性にまで割り込んでくるのではないか。
私の目下の結論は、短歌の基本である一人称は生身から発し、創造の源泉でもあるから人工知能には限界があるーだ。
『なるほど!赤ちゃん学』(新潮文庫)のなかで高橋英之氏は、ロボットが赤ちゃんから学ぶべきことを書いている。
それは「自分が自分である」という感覚、自己意識だという。人間の知的な行動の大部分は自己意識を土台に成り立っているともいう。これがロボットには不足している。
自己意識と一人称は大いに関係がある。一首の背後には「自分が自分である」の感覚があるのだから。
ロボット研究者は自己意識を持たせる方法を研究中という。
これからが楽しみというか怖いというか。