【往還集133】26「地の表」

2015年5月9日
 家が建つとき、敷地分の地面は永久に光を遮られるという歌が、確かあった。オマル・ハイヤーム『ルバイヤート』の58にも「地の表にある一塊の土だっても、/かつては輝く日の面(おも)、星の額(ひたい)であったろう。」とあるではないか。家を造り人が住むとは、星の額である地面から、光を奪い去ることでもあった。