【往還集133】24「最後の方」

2015年5月8日
 『杏のふむふむ』を読み終わって書棚にしまったのに、心に残る個所が去来するので、もう一度開いてみた。織物の森本さんのことばだ。「織る、という段階は、実はかなり最後の方なんです。それまでが大体八割くらい」。人の営みをよく知っている。長い間の経験からおのずと生まれてきた謙虚さがここにある。