【往還集133】3「現場感」

2015年4月21日
 若手歌人の評として、現場感のない点がよく指摘される。作者が見えてこないともいわれる。けれど、現場って何だろう。ITが世界を駆け巡り、〈此処〉の実感など帳消しになっているとき、〈此処〉こそが固有だといえるものがあるのだろうか。むしろ不確かさが現場だと意識すること、それが出発点では?