同じ家に住んでいる遊女。ふたりとも子どもを生むが、一方が寝ていて赤子に伏せたために死なせてしまう。女は別の子を自分のものだといいはり、ソロモン王の裁きを受けることになる。判決は剣で半分に裂いて分けるというもの。
「わが主よ、お願いです。その子を生きたままこの人にあげて下さい」
と一方が訴える。
この有名な逸話を旧約「列王記 上」でまともに読んで、いきなり現代にひきつけて考えてしまった。
第1、DNA鑑定があれば解決できたのになあ。
第2、遊女とは今でいえば風俗嬢、シングルマザーとなってまでも育てようとは立派ではないか。
そして第3、本当はこのふたり、王が剣を振りかざして真っ二つにしようとしたとき、どちらも「その子を生きたままこの人にあげて下さい」と懇願したのではないか。
最近、自分の近くにも、赤子をめぐる悲劇あった。だからなおさら、このように考えたくなった。
(2015年3月3日)