【往還集132】26 松島や

原発は、再稼働へ向けてまっしぐら。事故が起きれば、まず被害をこうむるのは直下の地元だ。
その地元が半数以上再稼働に賛成している。悲しいことだ。生活するためには、これ以外の選択肢がないという。
この地元以外の近隣市町村の賛否は、問おうとしない。問えば反対が多数になるから。地元だけ問い、賛意が確かめられたとしてゴーサインを出す気だ。
ところで女川原発の例でいえば、30キロ圏が避難計画策定地域になる。東松島市の奥松島が南方の境界線に当る。
そこと松島湾は隣接している。
一旦事故が発生したら、奥松島はだめだけれど松島は大丈夫ということにはならない。四季を通して全国から来る観光客は完全にストップし、観光地として成立しなくなるだろう。
だのになぜ松島は声をあげないのか。再稼働なんてできっこないと内心思っているか。「松島やああ松島や松島や」と慨嘆したくなるではないか。
(2015年2月21日)