【往還集132】 140字偶感篇(1)「加藤楸邨」

2015年2月5日
加藤楸邨を読みたくなって、岩波文庫の句集を少しずつ開いている。解説で中村稔が「鮟鱇の骨まで凍ててぶちきらる」と、村野四郎の詩「さんたんたる鮟鱇」を比べて、楸邨に軍配をあげている。同感。あるものをあるがままに呈示することの底深さ、それが俳句だ。はてのない、暗黒の大宇宙になることもある。