新聞には「宮城、福島、岩手県南の主な放射線量」が毎日掲載されている。1時間あたりのマイクロシーベルトの数値だ。
今日の発表によると、双葉は1・11と一番高い。宮城県では丸森0・08、仙台0・04、栗原0・06というぐあいで、原発地帯以外は事故以前に戻りはじめたところが多い。
だからもう安心と思いたいところだが、この数値判断にはまやかしがある。
こんな遠いところまでと驚くような山中にも放射線は飛散し、山菜もシイタケも渓流釣りも牧草もいまもって汚染されている。
そのため、それらを主な収入源にしてきた山村は、ただでさえ人口減に悩んでいたところ、一気に限界集落化しようとしている。小学中学も消えはじめている。
このような実態は、線量の数値だけではわからない。声をあげたところで、どうにもならないと山人は諦めている。
全山の除染をするなんてほとんど不可能なのだから。
(2015年2月3日)