【往還集132】 140字偶感篇(1)「影」

2015年1月24日
南側から北側へ通じる坂道を登る。日差しがありまともに自分の影が写る。立ち止まると「どうしたんだ、早く歩かんか」と影がいう。「いったい、どっちが主人なのだ」と抗議すると、「それはもちろん、オレのほうさ」というではないか。たしかに。足の重い自分を引きずるように、影はあくまでも進んで行く。