短歌講座最終回を終えて帰宅。今年も公式の行事一切は終了だとほっとした気分。
けれどこのところ、なにかとりとめもない気分でいる。
世の動向を見ていると、この国への誇りがそれこそ埃となっていきそう。
「在日日本人」の語を見つけたのはそんなときだ。句誌「船団」第103号で、宮本輝と坪内稔典が「私と言葉」の題で対談をしている。『流転の海』の主人公松坂熊吾は、日本人でありながら日本人が嫌いな人物。そのことに関連させて坪内は、京都のフランス文学者杉本秀太郎の言を紹介している。日本人はいいたいこともいわないし成熟していない、だから嫌いだ、「私は在日日本人なんです」。
この気持ち、よくわかる。日本人として生まれたのに、日本への違和感。
「そんなやつは日本から出ていけ」と、やがてはヘイトスピーチされるかも。
彼らが大手を振るから、誇りが埃になりはじめたというのに。
(2014年12月24日)