「路上」に「宮柊二」を、長期連載している。
目下『山西省』論に入って、資料読みの最中だ。
テキストにしているのは、岩波書店版の『宮柊二集』。
随筆・評論関係は、単行本のままでなく発表年順に収録されている。
読むほうにとっては都合がいい。
ただ単行本には、1冊の持つ勢いや熱さがある。そこで両方を合わせて読んでいこうと、所蔵していない分を検索して注文中だが、がっくりきたことがある。
それは値段のこと。
『埋没の精神』は2750円だから、まずは妥当なところ。『机のチリ』は228円、『白秋・迢空』は250円、『西行の歌』いたってはたった1円!
古書店にとっては、クズ同然だということ。なぜこんなことになるか。
読みたい、使いたい人が激減しているからにほかならない。
柊二も読まれない時代になってしまった。買うほうとしては安価は喜ばしい。
だのになんだか、すごく悲しくなってくる。
(2014年12月16日)