総合誌や結社誌、個人誌には「あとがき」「後記」がある。なかには「編集前記」というのもある。私はそれらを読むのが好きだ。ほろりともれる本音が楽しい。ときにはそれ自体で立派な短詩というのもある。
最近、これはいい!とノートしたのは「かりん」2014年11月号の川野里子さんの一文。全文引用する。
「飛行機を見ると感動する。飛んでいる時も飛行場に並んでいる時も美しい。翼と翼が触れ合わぬよう並んでいる姿は神々しい。」
この極めて簡潔・的確な描写。
もうひとつ引用する。『短歌』12月号の「編集後記」。
「評論は読まれなくなったといわれて久しい。」
にはじまり、
「評論の要諦は、やはり、それがもたらす感動にある」
と、評論の本質を突く。これを書いているのは石川一郎氏。編集者にしておくのはもったいない(失礼!)と感服する「後記」を、石川氏はときどき記す。そこにいつも線を引く。
(2014年12月5日)