宮城県美術館のミレー展へ。
外人画家ではじめて覚えたのは、ミレー。小学の教科書に出ていた。
甲府行の折、山梨県立美術館所蔵の「落ち穂拾い」に会わんと胸を高鳴らせたが、不運の休館日。
今回はしっかりと対面することができた。想像していたよりも美しい絵だ。ふたりの農婦が、腰を屈めて落ち穂を拾う。傍らにもうひとりが、腰を伸ばす。この構成が律をなしている。
先月読んだばかりの旧約「申命記」24を思い浮かべる。この個所を文語訳で引用してみる。
「汝田野(はたけ)にて穀物を刈る時もしその一束を田野に忘れおきたらば返りてこれを取(とる)べからず他国(よそぐに)の人と孤子(みなしご)と寡婦(やもめ)とにこれを取(とら)すべし」
こういう聖書世界が絵の背後にはあるだろう。
もっとも落ち穂拾いは自分も小学生のときにやった。野外授業と称して、刈り入れの終わった田んぼへ一斉にくりだす。半日、落ち穂を拾う。それが学校の教材費となった。
(2014年11月12日)