【往還集131】20 ハロウィン

ハロウィンは海外の祭のイメージがあった。創意をこらした服装で楽しげに歩き回る、あの開放感は羨ましくさえあった。
他方、変装して人家に入った日本の若者が、銃殺された事件も記憶にある。
明るく楽しい開放感は、紙一重で命に係わる危険性もはらむ、それがハロウィンだ。
町内の子どもたちがハロウィンを覚え、夜になって家々を回るようになったのは数年まえ。田舎では正月に子どもたちの角付けがあって、玄関先で食べ物をもらう恒例行事があった。それと似ているが、なにしろハロウィンには、この風土に根付いていない。ブームに乗った、根無し草の感がある。
危うさを感じたのは私だけではなかった。町内役員会で話題に。
ふだん付き合いのない家をいきなり夜訪れ、お菓子をねだることの無防備さ。役員の一人である私が、危惧内容を小学校に伝えることになった。
昨夜角付けがなかったのは、きっとそのせい。
(2014年11月1日)