第2は原発事故の問題。
絶対安全のはずの原発が一旦事故を起こすと、人知、人力では歯が立たないことが露呈された。
多くの人が被害を受け、生活の根を喪い、いまなお自死者が絶えない。
だのに原発を再稼働させたがる動きが、政治を突き上げる。
廃棄物を地下深くに保管しても、無害になるには20万年かかるといわれているのに。
20万年後、おそらく人類も生物も存在しない。
しかし地球は残り、新しい生命が萌え出る可能性はある。
もちろん、再び人類が生成されるかどうかはわからないが、原発の問題は生命のはじめまでもどり、そこから人類を相対化することを求めている。
この問題、つい数年まえまでは空想分野の〈たわごと〉だった。
けれど今、現実味を帯びて、すぐ足元にある。だのに、どのようにことばにしていったらいいのか。
ここで自分は頓挫しているのだと、率直に語っておきたかった。
(2014年10月31日)