【往還集131】18 「3・11の問いかけるもの」

昨日は中野サンプラザを会場に日本歌人クラブ東京ブロック大会。
その講演を依頼されて1時間ほど話してきた。3・11から4年になろうとして、今更震災詠でもあるまいという空気が歌界にはすでにある。だから具体的なことは省いて、現在なおことばにならない鬱屈したままの問題2つに絞ろうとした。
けれどそこまで行く前提が山ほどあって、どうもわらながら散漫になってしまった。
改めて想定していた2つのあらましを書いておきたい。
第1は、科学技術の最先端と最後端について。大震災の模様は、多くが所持するケータイ、パソコンによって記録され、今までにない生々しさで全世界に送信された。科学技術の勝利そのもの。
ところが全てのライフラインが停止した肝心の現地では、最先端技術は完璧なまでに無力、頼りになるのはごく身近の人間だけだった。 
この問題をどう処理したらいいのだろうか。
(2014年10月30日)