「朝日」たたきがつづく。
従軍慰安婦報道は誤報にもとづくから、慰安婦はなかったと主張する勢力に口実を与えたのは、まずい。
けれど、〈誤報〉だらけの週刊誌が図に乗って口汚く罵るのはもっとまずい。
さらに「朝日」をぶっつぶして、購読者をわがほうにぶんどろうという戦略みえみえも不愉快きわまりない。
新聞の購読数は、「朝日」をたたこうがどうしようが、減少するのはしばらく避けがたいと私はみている。
なにしろふだんのニュースはパソコンでほとんどすませられる。
ただし、それで万能かどうかという問題を、3・11はまともに投げかけた。電源が消えれば、電子機能は完璧なる無能だった。
やがて回復し、メルトダウンの報がどっと流れたとき、あわれなまでに浮足だったのもパソコン派だった。
それに対して新聞媒体は、直接性と速報性に欠ける反面、人を冷静にし、適切な判断に導くように作用した。
(2014年10月25日)