「青臭い」とは、青草のようなにおいがすること、つまり未熟なこと。これに付け加えて、後先を考慮しない一途さともいえる。
仁平勝(にひらまさる)の『露地裏の散歩者――俳人攝津幸彦』(邑書林)を読んでいたら、宮崎大地のことが出てきた。
「俳句研究」編集者高柳重信は「第一回五十句競作」を企画。それを成功させるためあらかじめ若手から候補者を選んで、予選にかけようとする。候補は大屋達治、宮崎大地、郡山淳一。
しかし宮崎は、選句は暴力だという理由で拒否したという。
こういう青臭い青年が一昔前には確かにいた。なんだか懐かしさがこみあげてくる。
「選句は暴力」これは正論である。賞の選考だっていうなれば暴力だ。賞を手に入れたい人間がわんさといるから、暴力云々がとかく忘れられるが、他人の才能を裁断する行為であることにまちがいない。
選句拒否のみならず青臭さ一般に、この頃なかなか出会えなくなった。
(2014年8月10日)