【往還集130】26 お台場

お台場の景観。
お台場の景観。

東京の大井町のホテルに2泊し、そこから地下鉄で短時間のお台場へ足をのばしてみた。 
初任校の若柳高校時代、この近辺の印刷会社に生徒の何人かが就職した。その職場訪問が目的で上京した。
ちょうど日曜日で会社は休み。生徒はよく釣りをするのだという、工場裏の海に案内してくれた。岸壁に坐って糸を垂れながら、東京にもこんな牧歌的なところがあるのだと、心の安らぐ思いがした。
その東京湾。
地下鉄から地上に出た視界にいきなり飛びこんだのは、宇宙都市そのものの景観だった。高層がいくつも立ち並び、観光船も往き来する。
全体が統一されていないようでされており、ビルの色も多彩ながら調和がとれている。
吉本隆明はかつて、景観といえば自然を語りがちだが、都市だって十分に美しいのだと力説したことがある。
そのことに納得。
海に近いレストラン。ベランダに出て、四方の景をしばし堪能した。
(2014年7月15日)