【往還集130】20 ネムの季節

ネムの花が一斉に咲きだした。
小高い丘の上に設置中の「雲の上の発電所」

二階から見下ろせる位置に、ネムの大木がある。花が一気に開き出した。ほんのりした綿毛の淡い紅色、まるで天のややこ稚児たちがささめき合っているよう。
この静けさとは対照的に、町内の空地では次々と建築が進んでいる。地盤が強固で、大震災でもびくともしなかった。その情報が伝わって移住希望者がふえた。被災経験の人も多い。
屋根々々には太陽光パネルが急増している。小高い丘には巨大な発電所も目下設置中。その名も「雲の上の発電所」だ。
私も一昨年パネルを設置した。効果はてきめん覿面。電力料金はこれまでの半分、季節によってはほぼゼロになる。
原発事故の不安にさらされてきたから、放射能への拒否感は強い。この民意はもう後戻りしない。
だのに政権は原発再開へ向かって前のめり、海外セールスまでやっている。一歩も進めないでいる被災者がいっぱいいるというのに。 
ネムの花を愛でながらの、今日の所感です。
(2014年7月7日)