【往還集130】19 象徴

今さら大人げないという雰囲気がいつの間にかできて、多くの人が口ごもるようになった。九条そして天皇制について。閣議決定を期に、年来の考えをはっきりさせておきたくなった。
私は九条をよしとする非戦派である。武器、軍隊を持たないことによって滅ぼされるというならその運命を甘受する。
また非天皇制派でもある。この制度はないにこしたことはない。しかし敗戦時に廃止の決定的チャンスを失った今、暴力的手段で廃止をめざそうとは考えない。
「象徴」天皇がさまざまな面で問題をはらんでいるのは確か。
が、現天皇は矛盾に中吊りになりながらも、現在のスタイルを造りあげてきた。だから非天皇制派たる自分も、現天皇・皇后に対しては敬意を覚える。
もし保守の改憲案のように「元首」に戻そうとしたなら、天皇・皇后は辞退すると思う。制度上できないといくらいわれても、心のなかでは辞退すると思う。
(2014年7月4日)