【往還集130】18 おごれるもの

占領軍による押し付けをいうなら農地解放も同じ。憲法を問題にする人がなぜこちらのほうには触れないのだろう。
流れからいえば、新憲法が押し付けなくして成立しなかったのは疑いようがない。
ただし「戦争の放棄」を時間をかけながら自分たちのものにしていったのも疑いようがない。日本人の気質と通い合うところがあったからこそ。
だが、国際情勢には通用しない理想論だと唱える勢力が強まり、とうとう1日夕、臨時閣議で「集団的自衛権」を可決。
まともに改憲を提案するのは早すぎるとみた安倍内閣は、奇策に出たわけだ。
与党大勢の今を逃さじと、なりふりかまわず突っ走るこの姿。これで改憲への突破口ができたと、小躍りしているだろう。
早速、宮城県議会は憲法改正の早期実現を求める意見書を採択した。選挙民を蚊帳の外に置いたこのはしゃぎぶり!
「おごれるもの久しからず」の一句が口をついて出る。
(2014年7月3日)