【往還集129】29 旧約

朝読書に、今朝から旧約をはじめた。
書写は『正法眼蔵』、読書は旧約、これではいかにも節操がない。
けれど信仰を持たないものは、神も仏も同じことをいっているではないかと驚かされることがよくある。
今回のテキストは岩波版『旧約聖書』全15巻。
旧約はずっと以前に文語訳で読んだ。

「元始(はじめ)に神天地を創造(つくり)たまへり」

この出だしが荘重で、格好よかった。
今度は口語訳だからそうはいかない。

「はじめに神は天と地を創造した」

ではどこか間が抜けた感じ。
けれどいまの時代、贅沢はいっていられない。まずは「天地創造」を読んでいこう。
神は光と闇を分け、昼と夜を造っていく。家畜と這うものと地の獣を、そして人を造る。つまり杖の一振りで、宇宙世界を次々と創造し、配置していく。
私はふと疑問が湧く、それなら神は誰が造ったの?
それは、たぶん神だ。
神が神を造り、その神もべつの神が造ったのでは。
(2014年3月23日)