この日のシンポに登場した5人は、大震災に直面しています。3年たった感想にも、おのずと共通面がありました。
あれほどの出来事だというのに、早くも忘れ去られようとしている、けれど震災はひとりひとりが一生負っていくものだという点です。
私もまた同じ思いです。
それに加えて私は、いまだに解決できていない問題を抱えています。原発事故直後から「逃げる」「逃げない」の大混乱が生じました。仙台でも例外ではありません。
そのとき私ははじめから「逃げない」態度をとりました。逃げ惑う人々があわれにも滑稽にも映ります。
しかし「逃げたい人は、どうぞご随意に」の気持ちになってきました。同時に、「逃げない」が倫理的に見えるとしたらそれは本意とは違うという思いが残りました。
踏みとどまることが逃げる人にも負い目とならない在り方、それはどのようにして可能かーーがいまなお解けないのです。
(2014年3月22日)