【往還集128】32 「絞死刑」

イランの話なれど絞首刑を執行された男性が翌日に生き返ったという(「朝日新聞」2013年10月31日)。再処刑すべきか否かの議論の末に終身刑になったと。
同じような話はすでに大島渚の「絞死刑」にある。
1968年の公開、自分も映画館で観た。在日朝鮮人Rが強姦致死罪で処刑される。階段を登る、首に縄を掛けられる、ドンと床板が落ちる、体が揺れる、執行時間終了。
ところが縄を外してもまだ生きている。あわてた係官たちは心身喪失状態ということにして、執行停止にした。モデルは小松川事件の李珍宇という。
このとき買ったパンフに、ほんの時々執行時間が終わっても心臓が動いている例があると書いてあった。係官たちはあわてふためく。どうするか。もう一度正気に戻し、処刑台に上げてやり直している、その証拠に帰還者はゼロだと。
ただしこれは極秘だから、ほんとかどうかはわからない。

(2013年11月14日)