今朝、新聞の訃報欄に「下舘みゑ子」の名を見つける。もしかして「下館みえ子」ではないか。
下舘さんは長く「短歌人」の会員。9月号には病床詠が出ていて、10月号は欠詠。具合が悪いのだろうかと気にかかっていたところに、訃報だ。住所が塩竈、喪主に下舘和巳さんが出ているからまちがいない。和巳さんは演劇人でもあり、自分もよく観に行く。
その訃報文、
「いよいよの時がまいりました。永い間温かいご交情ありがとうございました。」
とはじまる。余命を悟って自らから書いたにちがいない。
「私事 命数極まりて二十五年十月十八日祖神の里に還りました。ひと足さきに失礼させて頂きましたことお知らせ致します。」
日付だけは遺族が書き入れたのだろう。
「いつの日か天のまほろばでお逢いする来世あれば幸いです。合掌」
と結ぶ。
私はかなしみを忘れて、水際立った別れのことばをくり返し、くり返し読んだ。
(2013年10月22日)