遺伝子解析技術の進歩で、親の望みの赤子のできる可能性が高まってきた。日本なら「目がパッチリしてスタイルもよく頭脳もほどほどでしかも優しい」女の子、「イケメンで背も高くスポーツ能力抜群頭脳は最高級」の男の子ということになろうか。
もし技術が可能になったとして、親の能力をはるかに超えた子が成長するにつれて、低レベルの親を見限ることは考慮されていない。デザイナーベビーといえば新語に聞こえるが、同じようなことは随分長くやられてきた。
わが子を有名大学に入れようと幼くして熟通いを押し付ける、娘を〈お嬢様〉にしようと特訓する。
親には、わが子をいかようにもデザインできるという幻想がある。ある程度まではうまくいっても、持って生まれた性質、能力などを総入れ替えするのは不可能だ。
そこを見極めうるかどうかに親の親たるゆえんはかかっている。そして3分の1は失敗する。
(2013年10月21日)