【往還集128】19 イモニ(芋煮)会

高校時代、年に一度全校をあげてのイモノコ会があった。学校は山手にある。そこから一時間もかけて北上川まで歩き、河原で火を焚く。
学生になって仙台へ。やはりサークルの秋の行事に組まれていた。コチラでは「イモニ会」というのだと、はじめて知った。イモニ会をやるのは東北だけだということもはじめて知った。
そのイモニ会、町内会の恒例行事でもある。住人にプロの料理屋さんがいて、その人が指導してくれる。東京で毎日2千人分の調理をしてきたという大ベテラン。
自分も役員だから、側で手伝う。大鍋二つに湯を沸かし、大量のイモノコを入れる。皆で灰汁取りをする。「仙台風イモニ」「山形風イモニ」と2種類あり、醤油と味噌で味付けをする。食材も違う。肉も葱も白菜も山のよう。砂糖も酒もどっと入れる。やがて匂いが周辺に立ち上る。
その豪快さは、料理というよりもスポーツそのものだった。
(2013年10月12日)