短歌総合誌「歌壇」10月号が届いた。先ず どこを開くかと云えば、目次である。ざっと見渡すだけで今号に賭ける編集者の意気込みが伝わってくる。年に何号かは、「今月はあまり力を入れず、流しているな」と直感するのもある。時には「流す」こともあっていい。
さて「歌壇」の目次を見、頁数に従って本文を開いたとき、???のマークが頭を走った。頁と本文が一致していない。よくよく見たら、頁は前号と同じではないか。
数日して、お詫びの文を挟んだ訂正号が送られてきた。
プロの出版社には、ありえないミスと騒ぐ人もいるだろう。編集部も大慌てだったろう。
だが、人間のやることに「ありえないこと」なんてことはありえない。誤植は出版の華でさえある。たまには手違いもけっこう。他の総合誌や結社誌は、同じことにならないようにと手綱を締めたはず。その意味で、大いなる貢献ともなっているのである。
(2013年9月24日)