【往還集128】4 ノルデのこと

仙台文学館ゼミナール「宮沢賢治を読む」の2回目をやってきた。今日は「ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記」から「ペンネンノルデ」への推移がテーマ。
この「ノルデ」は以前から気にかかっていた。作品になっているわけではない。作品以前の、わら半紙一枚に鉛筆で記された構想メモ。
けれど「ペンネンノルデはいまは居ないよ、太陽にできた黒い棘をとりに行ったよ。」というのは、火山爆破を試みるよりもはるかに宇宙的だ。黒い棘とは、太陽の黒点のこと。これが現れると地球の気象も変動し、凶作をもたらすと考えられていた。だから抜き取りにいくというのだが、もしこの構想に従って書いたとしたら、いったいなにに乗って太陽まで行っただろうか。飛行機ではとても間に合わない、やっぱりロケットだろう。
けれど人間が太陽に立つのは可能か、などなどこちらの空想まで刺激されてくる構想メモなのだ。
(2013年9月19日)