7月中は、低温と長雨がつづいた。このままでは寒さの夏へ突入するのではと心配していたら、8月に入ってやっと炎暑の日々となった。
この気まぐれな天候はどうしたことかと、嘆くことしきりだが、それはそれで勢いづく草花もある。
オニユリ。
引っ越してきて間もなく、どこからか種がやってきて芽を出した。年々ふえて、ついに庭いっぱいに咲き誇ってしまった。
橙色の花弁を反らせた、可憐なその姿。なぜオニユリなどと怖ろしげな名になったのか。牧野富太郎植物図鑑で調べてみる。「粗大なユリ」の意味で、姫百合に対しての命名らしいという。「天蓋百合」ともいう。それは花のうつむいた形からきたという。
人は人の都合で、気象の乱れを嘆くが、草花は、乱れれば乱れたなりに、弱るのがある一方勢いづくのもある。
話はいきなり飛ぶが、超異常気象で人類が亡びても、別の生命体が栄える可能性はある、たぶん。
(2013年8月13日)