結社誌の「後記」は複数の編集委員がほんの数行書くだけだが、味のある書き手が何人かいる。それを月々読むのは密かな楽しみ。岩田正もその一人。「かりん」6月号の全文を写す。
「どこに発表しようと、作品は自分のもの。よく自分の作品に順序をつけて、よい総合誌にはうまく出来たもの、自分の結社誌には並の作品を出す。実にダメな歌人だ。自分の作品に自信があれば、どこにでもいいものを出さねば。」
「実にダメな歌人」この直言がいい。ワタシノコトダと震え上がった会員もいるのでは。
「路上」は結社誌ではないが、折に触れて寄稿をお願いする。一切稿料ナシ。それでもたいていが最高の作品を送ってくれる。特に同世代は超多忙でも要望に応えてくれる。かえって気の毒になって、寄稿依頼を控えるようになってきた。
けれど目に見えない琴線の張りを感じるときがある。それが「路上」の宝だと思い続けてきた。
(2013年6月9日)