新幹線で福島へ。時雨が去ったばかりで北方には太い虹がかかる。駅近くの市民活動サポートセンターで開催中の画歌展へ。
貝原浩氏はチェルノブイリ原発事故から6年後のベラルーシをたびたび訪れ、そこに生きる人々を描いてきた。大和和紙には大人、子供の飾らない姿が生き生きと描かれている。惜しいことに2005年に病没された。
短歌のほうは佐藤祐禎(ゆうてい)氏。『青白き光』からの抄出だ。この歌集については「往還集123」でもとりあげた。受付でいただいた「『青白き光』を読んでくださる皆様へ」によると、祐禎氏も一号炉建設の頃働いたことがあり、工事の杜撰さや誤魔化しを目撃してきたという。生活基盤全てを奪われた憤り、悲しみ、絶望感。
「しかし、それでも生きなければなりません。幸いに短歌というものがありましたので辛うじて生きることができるのかも知れません。」
この一文をまえにことばが出ない。
(2012年11月8日)